2013年12月22日日曜日

少年とボールと銀河鉄道

昨日で子猿たちの学校もノエル休みに入りました。
今学期は、結構大変でした。

まずお勉強。
特に兄猿。万年勉強いやいや病の彼、なんでもチャチャチャっといい加減にやって流すのですが、もうそれが限界に来て、ぼろが出始めた。大体「Recopie、書写」という項目で何故こんなに点数が低い? こういう楽勝科目で点数稼ぐものでしょうが。

その他にも今正さないと一生このままになる~、ということが多々あり、夕方は兄猿の勉強のコーチ役で両親共に疲れました。

一方、この少年にもついに友達ができたのはよかった。
その名は「ボール」君。

以前も書いたけれど、兄猿は機微とか、空気読むとかができないタイプです。
基本的には夫に似て、ゴーイング・マイウエイ。でもちょっとだけ母猿の寂しがり屋の血も入っている。

今まで誕生会の招待客などは、母猿のママ友の子供たちなどに来てもらってたけれど、殆どが女の子。
8才過ぎて兄猿も少年臭くなり、男の子の友達も欲しい。でもできない。

「みんな、僕がしたい遊びをしてくれない」といういつもの発言があり、「でも休み時間に一人でいるのはとてもさびしんだ」と、日本語補習校でやった「お手紙」というお話に出てくるガマガエル君のようなセリフも吐いていたこの頃。

そんなある日、ふと思いついて、校庭で使うことが許されているスポンジ製のボールを買ってあげたのです。
これが大成功!

「みんな僕のボールで遊びたくって、いつもいつもみんなと遊んでいるんだ」
とすごーく嬉しそう。
よかったね。

学校にお迎えに行っても、兄弟猿は校庭に居残って遊びたがる。
でも冬至近いパリの夕方6時過ぎです。
真っ暗なんですけど。

ちび猿は如何にもガラの悪そうなガキんコたちと走り回るという意味のない遊びをしています。

兄猿は一人、かつて黄色かったボールを蹴ったり投げたり。
たま~に、誰かがそのボールを蹴り返したり、
二人組が奪い取ったり、
そして帰るときに兄猿に投げ返す。
また、たま~に誰かが5分くらい、兄猿と一緒にボールの蹴り合いなどをして、
お母さんに呼ばれて、帰っていく。

そんなボールを通しての、ささやかな「交流」が兄猿にとっては嬉しくてしょうがないらしい。
また、一人でいてもボールを壁に向かって蹴ったり投げたりしていると夢中になって寂しくないんだ、って。

そんなもんなんだ、男の子って。
単純だなぁ。
でも、さわやかでもある。

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さて、話変わって、この画像はなあんだ!



すぐに銀河鉄道999とわかった方は相当な松本零士ファンです。

私はヤマトも999も知ってはいたけれど余り好きでなかった派です。
それが、ある方から子猿たちへ、と「さらば宇宙戦艦ヤマト」を貸して頂いたら、兄弟猿、すごいはまり方。

そういえば、銀河鉄道っていうのもあったなぁ、とまずYoutubeで探したら、このクリップに出会いました。



ゴダイゴの歌、懐かしすぎる!!
そしてこの出発のシーン、ロマンあって、素晴らしい!!
と、母猿の方が興奮して、早速DVDを探したら、フランスでも発売されているのですね。即買って、クリスマス待たずに見せちゃった。

ヤマトもそうだけど、すごく科学的にも勉強になる話なのですね。
タイタン(土星の衛星だっけ?)とか、冥王星が寒いのとか、銀河とか、惑星の名前とか位置関係とか。
そして、壮大な設定の中、旅立ちとか、別れとか、命とか、っていうテーマで話が組み立てられていて、子猿たちがどこまで理解しているか怪しいけれど、何かは感じていると思う。

何よりも、空気のない、宇宙の静けさが見事に表現されているのがすごいなぁ、と思いました。




観終わってすぐ、兄弟猿は部屋へ駆け戻り、兄猿はレゴ、プラレールで999を再現。チビ猿は絵で再現。上のプラレールは、999の地球出発シーンを再現したものらしいです。

……旅立ちか。
いつか来るんだろうな、別れのとき。
その時はメーテルのように(図々しいですねぇ)、凛として、そして出来れば笑顔でいたいな。

クリスマス前のエントリーはこれにてオシマイだと思います。
みなさま、どうぞ素敵な聖なる夜をお過ごしください。
Joyeux Noel♪

2013年12月19日木曜日

ノエル、ワタシ・スタイル

なんのこっちゃ、と思われそうなタイトルですが、先日、某サイトに寄稿している「伯爵夫人のマナーブック」で、「ノエル、『コンテス・スタイル』」というのを書いたので、それを文字ってみました。

昨夜は、親しい友人ら4人を招いて、子猿も一緒のディナーを催しました。
子猿たちの提案で、メインは手巻き寿司です。
朝から、散らかったものを全部「押入れ」と言う名の我が寝室に押し込んで、掃除、料理でバタバタ。
でもお客様っていいですね、今朝は家がいつになくきれいなのこと!
お、そうだ、モップがけしなくては。
フランス人の方に靴脱げとは言えない私なのです。

Anyway、そんなバタバタ準備の昨日をフォトログで行きま~す。
まずテーブル・セッティング。
花でもあればなぁ、と思っていたら
このあとお客様にチューリップを頂きました。Yuppi♪
アペリティフのアテはこの高級チップスと「京子」で買ったピッカラ
一度やってみたかったヴェリーニ
(っていうんでしょ?こういうガラスに入っているの)
義母のポタジェから採れたニンジンの冷製とイカのサラダ・韓国風
ニンジンは、鶏ガラスープのジェラチン質で煮こごり風になりました
私はおいしいと思ったけれど、イマイチ反応が鈍かったので
悔しいからアップで載せます。
思うに、ごま油ってフランス人に受けが悪い?
それとも私の周りだけ?
お寿司が苦手な人もいるかな。
鶏肉をとんかつソースとニンニク醤油+蜂蜜で漬け込んだものを
巻いてみた

上の巻物に入れたのはカイワレときゅうりと
この緑色の大根です。京子のビオ野菜でみつけました。
瑞々しくって美味しかったこと!

ピカールで買った冷凍ロブスター、って書いてあるけれど、このチューブの中、
どうなっているんだろう、思いのほか安いしカニカマが詰まっていたりして、と思ったら……
こんなにちゃんとしたロブスターちゃんが出てきました
でも、食べるところが少ないのね。
エビも加えてアボカド・サラダ
これを手巻きにするとめちゃウマ
チョコレートタルトは、いつも残ると飽きるので、ホワイトチョコとブラックチョコにしました。
ホワイトは子猿用と思っていたら大人にも喜ばれたのが意外!ちょっとキャラメルっぽい味でした。
これしか残らなかった! 
これは成功の証?
このほかに、焼いたシャケのほぐしたの、卵焼き、エビフライ、マグロのレモンマリネ、デザートにはフルーツサラダもと、作った作った。
北海水産のエビフライ、フランス人に人気なのは知ってたけれど、今回もそう。
シックな男女が子猿たちのように、エビフライ巻を作ってました。
こうしてエビフライ巻は、お寿司の国際市場でスタンダード化されるのでしょう。

和やかなひと時が過ごせたし、こういう風に自由に料理を考えて作るのは楽しいし、今夜は余りもののシャンパンもポイヤックもあるし(うっしっし)、良かったよかった。

これを持ってして、ノエルまでの大イベントは終了。
今日はのんびりするぞ!(と幻想に終わることを知ってるくせに、言ってみる)

東京も雪が降ったとか。
どうぞお風邪など召しませぬよう、ご自愛くださいませ♪

2013年12月11日水曜日

子供のケンカ

唐突ですが、子育てって難しいときがありますね。

今兄猿は8才半。

フランスでは、小学校3年生で、まだまだ子供、と思っていたけれど、昨夜、PTAが主催するディナーに出席し、他の保護者の方の話を聞いていると、既にに彼の人生は第2フェーズに入っているんだな、と感じました。
PTAの毎年恒例ディナー
Florence Vyskocさんデザインの招待状です
場所は子供たちの学校の食堂なのです
今までは我が家のルール、価値観で生きていればよかった、親に守られていた。でも、実は少しずつ現実に晒されていて、例えば、勉強は理解しているだけではだめ。テストの点数が高ければいい、そして点数が足りなかったら中学進学の際肩たたきされる、といったシビアで、ねじれた現実が脅威としてそこにある。

「今からそういう現実を自覚させる必要がある。うちの子達はその準備が足りなくて、子供だからって自由にさせていたら、長男は競争に耐えられなくて、次男は、社会の枠が窮屈すぎて、この学校からドロップアウトした。3人目? 今中一だけど、上2人の失敗をみて学んだようで、とても順調。女の子は賢いね」
と、隣席のムッシュー。
うちの子猿たちは男子です、どうしよう。
「この世は競争、競争、競争。勝者のみがサバイブできるという世知がない世の中。でもそれが現実だから、子供もそれに対応できるように育てるしかない」
とかなり悲観的な方でした。

他の人と比べて、という競争ではなく、自分自身の掲げた目標との競争、ほら「己に克つ」ってやつ、そういうのじゃダメなのかしら。他の人との競争競争というのは安まるものがなくて辛い人生だと思うなぁ。

前置き長くなりましたが、そろそろ本題に。

昨夜のディナーで、ある方と話していると電話が入って、ちょっと中断。電話のあと、その方がいうのには、お子さんのお友達のお母さんからの苦情の電話だったそう。その方のお嬢さんが電話かけた方のお嬢さんを仲間外れにしているっていう。
うちの兄猿と同じ8才児の話です。聞くところによると、フランスの女の子社会はエグイようですよ。グループ制度、仲間外れなど日常茶飯事らしい。
通話を漏れ聞いたところでは、「被告」のお母さんは帰ってから子供の言い分を聞く、と繰り返し、「ごめんなさい」の一言は聞こえませんでした。片方の言い分しか聞いていないから詫びる必要はないけれど、私だったらついつい、ごめんなさい、と言ってしまいそう。
ある意味、あっぱれ!フランスママ。



この「苦情、言う、言われた」というの、こちらフランスではよく聞きます。日本でもそうですか?

苦情、言われた方の反応を見ていると、苦情言ったところで余り効果がないように思われます。
だって、私の知っている限りでは、
「あっちはこんなこと言ってるけど、うちのコ曰く、全然話が違うのよ」
っていうことが多い。所詮子供の証言なんて、主観的だし、嘘が混ざっていることが多いし。

……この嘘についてですが、子供って嘘つきますよ~。
「うちの子は嘘つかない」
と思ってらっしゃる方は用心された方がいいと思います。
昔、6ヵ月ほど保母さんの真似事をしたことがありますが、この子は嘘つかないだろう、と思っている子でも、簡単に嘘つくのです。悪意というよりは、嘘と作り話の境界線があやふやなんだと思う。
嘘は悪いことだけど、子供の頭から締め出すことは不可能なのだと思う。子供にとってはある種の防衛反応なのでしょう。
少しずつ、大きくになるにつれ、嘘つきは泥棒の始まり、ということを教えるしかない、と思います。

私が苦情言うときは、もうその子とうちの猿たちが一緒に遊ぶ必要はない、離れた方がいい、と思っているときのみ、プラス子供同士じゃ解決できなさそうなときのみ、その子の親に、「いや、お宅のお子さんね、言いにくいんだけど、こういうことがあってね」って言うかな。その時はすごーく心臓がドキドキしそう。言われるときも同様だろうな。
そして例えば子供同士の喧嘩などで、明らかに悪質なイジメだと判定できること以外だったら放って置くと思う。

だって親が入ると、治るこじれも治らなくなると思う。もともと喧嘩別れする運命の関係ならそれもしょうがないしさ。

さて昔から風来坊な兄猿。
友達が欲しいけれど、自分のしたいことだけしたい。多くの男の子が好きなボール遊びが好きじゃなくて、でも我慢してボール遊びしてまで、友達と一緒でいるのもヤ、でも一人はさびしい……このジレンマの中過ごしていたと、母猿は見てました。
それが最近になって、折り合いがついたようで、男の子の友達が少しずつできてきた様子。
「今度、スポンジのボール買おっか」
……スポンジのボールなら校庭で遊んでもいいことになっているのです。
「うん!」

少しずつこうやって社会に溶け込んでいってね。
いろんなこと経験して、しなやかに順応していくのだぞ。
今回は年末特大号(ほんとか)
「ノエルの掟」をアップしています。
ノエルで飛ばすコンテスの様子を綴りました。
お時間あるときにでもご笑読くくださいませ♪

2013年12月9日月曜日

日本語カリキュラムのあるラフォンテーヌ校の説明会

ベランダから見えるオトイュの競馬場(西にある)に反映する朝焼け。
光が冬色だと思いませんか?
またまたご無沙汰しております。

パタパタと足音たてて2013年が走り去ろうとしていて、「ちょっと待ってよ!」と後ろから追いかけている感じのこの頃です。

でも、お蔭さまで元気にしております。
モンマルトルの生地屋さん界で見つけた布をクリスマスだから、ってクロスにしました。
子猿が喜ぶかと思ったのに、見事にスルー。男子ママの哀しみね。

ブログを書けなかった理由の一つが、読書です。山田太一にハマっていました。
この本もよかったです。ホームドラマは好みではないのですが、私が体験した80年代の東京が見事に映し出されています。
山田太一を読んでいると、日本では勉強は学歴を得ることが目的、そういう価値観だったなぁ、ってしみじみ。
自分の青春時代は良かったと思っているけれど、学ぶ喜びがなかったことは悔やんでいます。

ただ、無目的に過ごした大学4年、最後の「学ぶ機会」にて「テキトー」に選択したインド近代史のクラスはよかったな。教授がエネルギッシュにインドの問題、日本との関係を講義され、専門外だったのに興味を掻き立てられたことがあります。授業中にアドレナリンが湧いたのはあの時だけ、それも卒業間際だったのが、ホント、残念。

……そういうことからも子猿たちには学ぶ喜びを知ってもらいたいのですが、フランスの学校教育、今のところ感心できません。

例えば掛け算の九九。
私はあれを丸暗記するという学び方がツマンナイと思っている派です。
幼少のころイギリスで掛け算を、その意味やカラクリから学んだあと、日本に帰国した私。
学校で「掛け算知ってる?」と聞かれ、自信を持って頷いたら、「じゃ、サザンは?」「シワ?」と聞かれで目が点になってたら、「なんだ全然知らないんジャン」と決め付けられた恨みがあるのです。

でもフランスも同じだったのですョ。九九ほどのゴロはなくても似た感じで丸暗記なの。

その他、地理でも文法でも何でも、先生が書き取らせたフレーズをそのまんま書かないと正解にならない。同じ意味でも言い回しが違うと減点。
こういうのって、子供としてもがっかりしちゃいそうで怖い。
今はとにかく自信をつけてもらいたいし、勉強って面白い、って思ってもらいたいときなので、ちょっと気がかり。

ここで漸く、タイトルに入ります。

土曜日に、パリ16区にある中学・高校公立高、ラフォンテーヌ校で日本語カリキュラムについて説明会がありました。パリ市内でコレ-ジュ(中学)から、学校のカリキュラムの中で日本語を取り扱うのは公立校はここだけです。日本人ママの間ではよく話題に上っています。
昔は、フランスに同化させるために、日本語を教えないという家庭も多かったようですが、最近のトレンドは、日本語文化を継承させたい、という家庭が多いため、私の周囲でもラフォンテーヌの人気がとても高いように感じます。
小学校までは日本語補習校や家で勉強し、中学からはできるなら、ラフォンテーヌ、と言う方が多いのです。(もちろん、違う手段もあります)

ラフォンテーヌでは、日本語を第一外国語として学ぶコースと、第二外国語として学ぶコースがあるとのこと。第一外国語コースは難関とされ、週4時間国語、2時間日本の社会科(日本語による)を教えて下さるそう。この社会も教えるというアプローチがとてもいいな、と思いました。
詳しくはこちらを。

でも、はて、うちの子猿たちは向いているのだろうか。

フランスって、私が思うに、日本ほど塾依存度が高くない分、学校が生徒に課す勉強量が多いと思う。ま、これが本来あるべき姿だと思うのですが。
一昨年、中学生の姪っこを預かったときにビックリしたけれど、日本でいう中2ちゃん、もう年がら年中テストがあって、課題があって、莫大な宿題が出てました。彼女は頑張り屋さんだから、学校から帰ると食事の時間以外は殆ど勉強してました。

ラフォンテーヌも同様にただでさえ勉強量は多い。そして多くの公立校もそうであるように、バカロレアでの実績を上げたいため、成績が悪い生徒はどんどん肩たたきして外に出す、というアグレッシブなところがあるようです。そこにさらに日本語をやる(そしてはっぱかける)ことは可能なのだろうか。

ま、再来年の兄猿の傾向と趣向をみながら決めるとしますか。

ところで、何故、こんな早くから説明会にいったかというと、もしラフォンテーヌに入れたいのなら早めに対策を組んだ方がいいと聞いたからです。入試にあたって、小学校4年までの国語力が要求されるようですよ。

うちの場合は日に日に、夏休みを日本で過ごした効果が消えつつあり、特にちび猿がマズイ感じですね。環境に流されるタイプだから、彼は。


脈絡ない写真をごめんなさい。
昨晩は
玄米とキヌアと白米に昆布を一枚いれて
フランスでこの季節出回る剥き栗(ローストの添え物・詰め物用)を使った
いい加減栗ごはんを炊きました。大変美味しゅうございました。

学ぶ喜びは勉強によって耕された畑にこそ宿るもの。
この遠回しなロジックを子猿たちに叩き込み、とにかく勉強させなくてはならない、至難の業を母猿は成し遂げられるのか。

……あ~あ、前途多難ですヮ。

どうぞ良い一週間を~♪