2013年11月26日火曜日

やっと書ける~! ということで山田太一を読みました

ご無沙汰してしまいました。
ずっとずっとブログ書きたいと思いながら、気持ちが別のことに取られたり、ゆっくり座って書く時間が取れなかったり。
ブログ書くことが日々の平衡感覚を保つ潤滑油のところがある私にとって、これは不健康なこと、よくないな、よくないな、と思いながら2週間近くが経ってしまいました。

ことのはじめはアパートのリフォーム、ペンキ塗りです。
5月くらいから「少しずつ、少しずつ」と心に決め挑んできましたが、年末という区切りを前にして、全部やっつけちゃいたくなったのがよくなかった。時間も体力も取られますし、早く終わらせたい、という焦燥感も良くなかった。少しずつ、疲れが溜まってました、この何週間かは。

そんなこんなのこの週末はしわ寄せから何もする気が起きなくて超ダラダラ。

そして久しぶりに小説を読みたくなってゴロゴロしながら2冊ほど読みました。両方とも初めての作家です。

一冊目は海堂尊氏の本。読み易かったけれど、う~ん、なんというかですねぇ、えー、スピード感を楽しみました。
気になってしまったのが誤字……。宝島社って結構大手じゃないの? 節穴の私でも誤字が2ヵ所見つかりました。これじゃ作家さんも読者もかわいそう……。
校正って本の品格にとって大切だな、って思いました。今後電子ブックなどで自己出版が増えてくると、ここら辺のクォリティーコントロールも甘くなってきそう。そしてそれに慣れてきてしまうのでしょうかね、私たち。

……二冊目は「異人たちとの夏」。
これはすごく良かった。名前だけ知っているけれど読むのは初めての、山田太一氏が書いた小説です。

日本語補習校の図書館で、ふと「岸辺のアルバム」というタイトルの本をみて、子供のころ、ドラマ化されたものを午後の再放送で斜め見した記憶が呼び起こされ、そのころの雑多な居間の風景も懐かしくなって手に取ってみたものの、裏表紙を読むと、どう考えても興味持てなさそうなストーリ。確か子供のころも、わからない、つまらない、と思ったような。

それでもこの「岸辺のアルバム」というタイトルが心に残っている。
子供ゴコロに岸辺に佇む家、ちょっと寂しそうで流されそうな不安感があって……という印象だけが残っている。
静かなタイトルだけどこんなにインパクトがあるなんて。ニクイなぁ、山田太一氏。

とにかく、山田太一氏に興味をそそられ、別の本を、と思い手に取ったのがこの「異人たちとの夏」です。
一ページ目から入ってしまいましたょ
もちろん、誤字脱字などありませんし、するするっと引き込む自然な文章、正確な表現、私だったら長くなってしまいそうな背景説明も簡潔なのによくわかる。
そして何より、一行一行に付随してやってくるイメージたち。現代(といっても30年近く前ですが)日本の、なんとも言えない倦怠感、都会的な美的感覚、表面的な豊かさ、もの哀しさ、エトセトラ、エトセトラ。
ノスタルジックな話なんですが、変に作られていない。わざと狙い、みたいな感じが全くない。
もうBravoな作品です。

先日読み終えた、水村美苗氏の「日本語が亡びるとき」で、日本語を亡びさせない手段は教育だ、と。小学校から英語を教える時代というもの結構だけど、国語の授業数が各国の中でも少なすぎる、というのがありました。
私もこの意見に一票!です。
こんなに素晴らしい小説、日本語、日本文学たち。どうかどうか、廃らせないで欲しい。
英語教育もいいけれど、国語をもっとやって欲しい。フランスでは小学校一年生より、毎週詩の暗唱をさせていますが、日本でも、詩や詩のようにきれいな小さな話などを暗唱させるのとか、どうでしょう。

と、ダラダラ書きましたが、あぁ、やっぱりいいな、ブログは。気持ちが落ち着きました。
そしていつも読んでくださってありがとうございますです。