2012年3月17日土曜日

楽しい楽しい??お別れ会

出会いがあれば別れがある。
パリで知り合う日本の駐在の方達は、いつか日本に帰られる。それを覚悟していたけれど、やはりいざお別れかと思うとそりゃ寂しいものです。

先日は、子猿の幼稚園で知り合ったママ友のお一人、Kさんが来週パリを発たれるのにあたって、Kさんと共通のお友達でプロとしてケータリングも手がけるAさんのおもてなしによるお別れ会という、寂しいけれど、とても楽しみな会にご招待いただきました。

アペロ、St ダニエレのプロシュートなどなど。
軽い仕上がりのグリッシーニと一緒に用意していただきました

 Kさんとは知り合って2年近く経つのにゆっくりお話をする機会がなく、昨日に至りました。

日本から家族で赴任される方達、多くの場合は、ご主人はパリにおいても仕事仕事で、赴任家族は日本にいるとき同様「母子家庭」状態の方が多いようにお見受けします。花の都パリ駐在中も、ママ達はエッフェル塔を横目に、慣れない言葉・習慣の中、子供の送迎、日本語補修校、学校行事におさんどん。そんなママさん達がすごいなぁと思うところは、子供・家族を守るという重責をしっかり背負いつつも明るいこと。
私なんて、日本に帰省した際などは二週間ほどの母子家庭でしたが、この猿達を私が守る、というプレッシャーを感じて疲れちゃってたというのに。

プチトマトのフランボワーズ・ビネグレット。ケータリングでも
湯剥きされたそうです、その数180個!

そして日本の母達、更に素晴らしいと思うところは、黙々と育児優先で献身するけど、自分の好奇心を追求することを忘れないこと。たとえ5分でも空き時間ができたら学ぶために使う、というしなやかな強さがある。Kさんも、あんな難しい子育てスケジュールの中、マラソン、お菓子作りの勉強、音楽と、色々活動されていたことを知り、脱帽です。
暇ができればゴロゴロする母猿、反省。

帆立の活のよかったこと!パプリカソース(もちろん皮は剥くそうです)は
程よい酸味があって、帆立の甘さを引き立てています。シャブリと合うこと!

Aさんも、お仕事の料理はもとより、音楽、読書などに造詣が深く、そんなお二人と、先日の佐渡裕氏のコンサートの話や、どうやって被災地復興の力になれるかという話、パリ書籍展の話、そして子育て、ケーキの膨らませ方、など話は尽きませんでした。

地鶏のジュレ、コラーゲンは食べても肌に到達しないと誰が言った?

合間合間にAさんがソーッと席を立ち、多分前日より仕込んでくださった食材達を素晴らしい一品として仕上げてはテーブルに運んでくださります。そのたびに「おいし~い!!」コーラスです。
夢みたいなご馳走でしょ?

ウサギのコンフィ。オリーブオイル1リットル使って油煮すると
パサパサなウサギがしっとりと仕上がるのですね、
素晴らしいアイデア、すごい贅沢!
好奇心といえば、AさんとKさんの食への好奇心も素晴らしい。「この塩はどうやって使う?」「お肉はあそこが美味しい」「このケッパー、サクサクしていてびっくり!」と素通りしていることを気付かせられること多し。
あぁ、この方達は生きることを楽しんでいる、大切にしてらっしゃる、と思いました。

Kさんのガトーショコラ。これはオーブン内の写真
また、お二人のケーキ作りに観客として参加しましたが、その丁寧さに、日本人の美学を感じます。
混ぜる角度、回数、生地の艶に注視しながら作られる。「クッキーの場合は手でバターをつぶすと体温で程よい柔らかさになって美味しく焼きあがる」と言われれば、それだけで香ばしいバター・クッキーの匂いが漂ってくるよう。

この日本人の丁寧さ、正確さはやはり生産業とサービス業に向いていると、関係ないことを考えちゃった。
精密さがキーのモノづくり。ハイエンドなサービス業などを国策にしてはどうでしょう、野田さん。

しっとりと薫り高く。口に入れると天に昇ってちゃう
楽しい楽しい一時も、子猿のお迎えの時間がきておしまい。
これからも、メール、ブログで連絡取り合えるから大丈夫と言い聞かせ、ありがとうとさようなら。

Kさん、今度は東京でお会いしましょう!
Aさん、ご馳走様でした!

このあと母猿は早足・千鳥足でお迎えに行ったのでした。