2011年8月22日月曜日

ストレス・コントロール


この週末は、夫をパリに置いて、子猿二匹を連れ義理両親のメゾン・ド・カンパーニュに行ってきました。これは、夫に意地悪をしたのではなく、仕事が山積み でストレス溜めている彼に独り時間をあげ、同時に、子猿達に自然の中で従兄弟達と戯れる時間をプレゼントしてあげよう、という、母猿の自己犠牲に基づく行 為でした。義理の家族って、厄介ですもん。

結果は・・・
行って、良かったです。
昨日再会した夫はTo do listが捗り、少しは休めたようで、すっきりした顔してたし、子供達は従兄弟と喧嘩などもしてましたが、まっ、これも勉強。 私は勿論疲れたけれど、夫と一緒に義理家族と会うのより楽でした。
というのも、夫は自分の家族とどうも気が合わないようで、いつも家族の集まりでは、ストレス波をビンビンに発します。それを受け止めなくてよい分、楽だったのだと思う。
いやぁ、夫って、本当に家族の中で浮いているんです。どうしてこうもかみ合わないかなぁ、というくらい共通点がない。彼だけ、子供のときから寄宿舎付きの 学校で生活したからかもしれません。親との思い出が少なくって可哀想だなって思うけれど、その見返りとしては、考え方にバイアスかけられなくって済んだの だと思う。
義妹達は、二人ともいい子なんだけど、なんだろう、想像力があまりないとでも言ったらいいのでしょうか。・・・まぁ、いいや。

結局、自己犠牲と歌いながら、実のところは「家族のために、やれることやったぞぉ」という、自己欺瞞だったようです。週末を乗り越えてみると、昨今の私のストレスもロワール川に流され、今朝は目覚めすっきりでした。
コーヒー片手にPCつけると、エトランゼやメールなどで、温かいメッセージが何通か。読みながらほろっときちゃいました。涙もろくて困ります。

そのあと、夫の古いシャツを縫い直して、子猿のTablier(割烹着?)とやらに改造しながら、桑田さんの「明日へのマーチ♪」 を聴いて、またジワリ。名曲だと思います。聴く度に涙が滲む。
東北の方達は、どのような夏を過ごされているのでしょう。
田舎では気が早い義妹達がクリスマスの計画を語っていたので、「プレゼントは辞退させて、どうしてもと思うのなら、被災者基金に募金してね」、とお願いしておきました。復興、まだまだ先が長いすものね。

さて、割烹着できあがり!

パリの夏休みも残り2週間を切りました。夏バテしないで頑張りましょうね~。

2011年8月14日日曜日

好きなんです、エコノミスト誌

久々に田舎の家に来ています。フランスは明日月曜日は祝日、3連休なのです。

出掛けに受け取ったThe Economist誌、今朝ゆっくりと目を通しています。テレビも新聞もない生活をしているから、知らないニュースだらけ。インターネットだと、興味あるニュースだけしか目に留めないものですね。週刊のこの雑誌だけが私達を世界に繋げてくれています。そして、教えてくれるのはニュースだけではありません。

例えば・・・
Wendy Wassersteinってご存知ですか?私は知らないのですが、この記事を読んで知ってみたくなりました。55歳で亡くなったそうですが、「私の世代の曖昧さ」を劇のシナリオとして書いたりしてたそうです。「曖昧さ」って言葉に興味がある。いつもゆらゆら揺らいでいる自分を表現した言葉のようで。

また・・・
イスラム圏は今断食月のラマダン。カタール時代はラマダン来ると、暑くっても外、車の中でも、子供に水を飲ませることにも躊躇しなくてはならなかったものです。そんなラマダン、テレビの視聴率が高くなる月でもあるとのこと。日没まで、家でコーランを読むことになっていますが、テレビをザッピングする人も多いらしい。今までは、映倫が厳しくって、下らないドラマが多かった(昼メロばかりでした、カタール時代)けど、中東の春を経て、内部告発物とか、もっと大胆なものが増えているとのことです。
でも、一方、マホメット一家のサガを描いたドラマは禁止されてしまったらしい。製作者の意図としては、シーア、シークと別れて紛争が続く昨今、この宗教分裂の大元を見直すことで和解を促す、ことだったのに。聖なるアラーを役者が演じるのは許されないことというのですが、イエス様は何回もドラマ化されていて、色々な俳優が演じてきたのに。イスラム教、もっと柔軟になってもいいと思うなぁ。これは Arab television Battle という記事でした。

そして、姉のスタンフォード時代のご学友、石黒ふじよさんの記事もあります。(インターネットのみ)大活躍されているのですね。昔パロアルトお会いしたときも、カッコいいお姉さんだなって思いました。素晴しいです。

E誌のような良質なメディアには生き残って欲しいです。どうやって、毎週こんなにハイクォリティーなものを届け続けられるのでしょう。

それにしても、このところ、何だかすごいモメンタムの中にいるんですよね。。
かなりまずい金融危機、原発問題、被災者救済できていないこと、ロンドン暴動、シリア、リビア、そして広島・長崎、そして明日は終戦記念日・・・。
それらに対して、自分の視点を定められずにいる私です。

2011年8月10日水曜日

バカンス中の食事フォトログ

バカンス中に取った、料理写真をまとめて載せます。
お暇なときにみてやってください。
ブルターニュの海岸にいたので、何かと魚です。また、義母が、ポタジェ(菜園)で育てた野菜もたくさん持ってきてくれたので、野菜料 理も多し。写真にないのですが、一番心に残った食事は、コック(Coque)というアサリに似ている貝で作ったボンゴレもどきです。ムール貝も「今後一年 食べなくてもいい」というほど食べました。

バジリコ
ペストソース(バジリコの葉とナッツ、ここではアーモンドを刻みまくる。オリーブオイルにつけておけば持ちます。これをパスタに絡めたり、(塩・にんにくはお好みで)・・・

トマトのサラダにがけたりして食べました。




フランスのメロン、甘くて、果実の味が濃くって格別の味です。これを生ハムの塩辛さで〆て食べる、キーンと冷えたロゼで頂く。これが夏です。生ハム、カールフールで、シフォン何とかと書いてあるパックは超薄切りで好みです

見た目わるいですね、Merluという魚の丸焼きです。ゲランドの塩とオリーブ油で。魚が新鮮で身がとろけるようでした。

雨の多い冷夏ということで、セップ茸が早いです。


どなたか写真の編集の仕方を教えてください。このバラバラの4枚、①まだ熟していない取立ての黒ベリー。②適当に砂糖を加え煮ると、③Pate de fruit、フルーツのジェリー(ペクチンを加えて煮る)④シロップ(種を濾す。水で薄めてジュースにする)となります。



これも見た目悪い、クスクスです。豚肉なのがイスラム圏が本場なのでレストランでは食べられない味となっています。

タラゴン、エストラゴンと呼ばれるハーブ。ちょっとアニスのような、麻痺させる味がします。
鶏肉や白身魚などあっさりした食材に合う。これは鶏肉のテリーヌ、ムッシュー・ル・ブッシェー(懇意にしている肉屋)作成。きれいでしょう?これにエストラゴンをかける。このハーブは義母の教えてもらっていらい、病み付きです。鶏のローストにも欠かせない。

生の場合、サラダドレッシングにもこうして入れる。エストラゴンがレタスだけのサラダの良いアクセントになります。

ある日の義母の主催するブッフェ・ディナー。ズッキーニとパルメザンのサラダ、ロスビフなど。



Rougetと呼ばれる小さな魚。淡白だけど美味。

Crevette Grise(灰色のえび)と呼ばれる小エビ。2センチほどの大きさなので頭から食べたら、フランス人家族らに野蛮人といわれました。

そして、「玉には血の滴る肉食べたい!」という野蛮なフランス人家族に乞われて焼いたビフテキです。フランスに来てから肉の部位に詳しくなりました。これはBavette(フィレ肉の横にある平たい肉)と呼ばれる部分です。エシャロットソースで食べるのが定番です。
ビフテキといえばフリットですね。バカンスでは気持にゆとりがあるので、手作りしました。やっぱり美味しいわ~。

こんな感じです。よく食べました。バカンス中のおさんどんは苦にもストレスにもなりません。できるだけ手作りするのが、わたしのプライドなのです。普段もいい加減料理でも、ちょっと出来合いモノにお手伝いいただいても「基本手作り」で頑張りたいと思います。

お付き合いありがとうございました!

2011年8月7日日曜日

集中豪雨 @Paris Plage

コーヒーぶっ掛けてしまったPCがやっと直りました。慣れ親しんだPCはやっぱりいいですね。
キーボードを水洗いするという大胆な指導をしてくださったコウイチさん、どうもありがとう!

さて先日、他の母子コンビ達とParis Plageなるものにいって来た時のこと。帰りに集中豪雨に会いました。
パリ・プラージュ=「パリの砂浜」と歌ったこの夏のイベントは、セーヌ川沿いで、ビーチライフを疑似体験しましょう、というものです。「こんな子供騙しの イベントなんて興味ないわ」と毎年無視していましたが、悲しいかな、子供がいると敢えて騙されてみようか、という気持になるんですね、母猿というものは。
お弁当もって、水筒持って、タオル持って、そしてお天気不安定なので、雨合羽持って、行ったわけですよ。


パリ・プラージュ、こんな感じです。
Bassin de la Villette

子供の為のアクティビティーも沢山。 (Bassin de la Villette)

 砂場も充実しています。子供達を遊ばせるには格好の場所です。(天気が良いとすごい人手らしいのでお出かけになるときは覚悟してください、ルーブル付近撮影)

怪しげな空模様でしょう?
そしたら案の定、夕方に集中豪雨にあったのです。バケツがひっくり返ったような雨、雷。運河沿いでしたので、水位の調節が利くとは言え、うっすら身の危険 も感じるほど。雷がピカっと光ってから、ドドーンという音がするまでの間隔が短いほど、雷は近くにいるんだっけ、と昔習ったことを思い出しながら指を折り 折りカウントし、しばらく待っていましたが雨脚は弱まりません。

やがて、雷が遠ざかった頃、思い切ってメトロの駅に向かうことにしました。パリのメトロは悪天候に弱いので、止まってしまう前に帰ろうと思ったわけです。

大雨の中では、傘は役に立ちません。子供達総勢4人、ママ達3人、ずぶ濡れになりながら歩きます。道は泥川のようです。
気づくと、隣の6歳の兄猿が「う、うっ」とうめきはじめました。

オララ、一番お兄ちゃんが泣いちゃうなんて。

「ううぅ、ううぅ」とうめきながらも歩いています。最初は「ほら、頑張れ」なんて声を掛けていたけど、泣きたい気持もわかるので、「いいよいいよ、泣い ちゃえ泣いちゃえ」に換えて、歩き続けます。4歳児はビスケット貰って食べながら歩いていたのに、ビスケットが雨に溶けて消えてしまったことが理解できな いようで、きょとんとしながら手に残った食べかすを舐めています。まさに猿ですね~。

ようやくメトロに付き、電車に乗り込む。ホッとしたママらは口々に「驚いたね、やられたね」と笑います。もう笑うしかない、って感じですよ。足元は水溜りができるほど、完全なる濡れ鼠ですもの。子供達には「よく頑張ったね」と話しかけるけど、みんな放心状態です。

私達は直ぐ乗り換えですので、皆にお別れし、電車を降ります。乗り換えの駅は、こんな感じです。

お、まずいな。駅閉鎖かな。
電車が出るか、出ないか、ヒヤヒヤしながら待つこと5分。なんとか、出ると。帰ることができそうです。

この経過をじっと見つめていた兄猿。その後も車内アナウンスがあるたびに、兄猿が、「どうしたの?帰られないの?」と心配します。「もう大丈夫、ちゃんと 動くって」と言っても電車が止まる度に不安気です。やがて電車がスムーズに走り出す頃にはやっと安心したらしく、口を開き始めました。

「水が一杯で、車も流されるかと思って恐かったから泣いた。」
「これからは天気が悪いときは出かけないようにしよう」
「傘がなくても大丈夫だったね。だってあっても雨がこう(水平に)降ってきたら役に立たないもんね」
と、何回も繰り返す。余程、驚いたのでしょう。
隣で4歳児はひたすらカップケーキを食べます。幼すぎて状況が見えないのな。
私も、4歳か5歳の頃に、兄、姉とプールに行ってたとき(誰か大人もいたかもしれないけれど、親はいませんでした)、突然ミニ嵐にあって、地下室に避難さ せられたことを覚えています。兄は恐がっていたけど、私はよくわからず、ドラマティックな状況にワクワクしていたような記憶が…。あの時Jubiさんは何 してましたっけ、覚えてますか。

さて、もうじき到着、大変だったけど、自然の脅威を垣間見せることができてよかったのかな、なんて思っていたら、津波のことが頭に浮かびます。
すると、、
「でも、日本の地震に比べたらなんでもないね。」
とポツリ、兄猿が言う。
本当、被災者の方々の恐怖を思えば、なんでもない。あらためて、あの悲惨な映像に想いが飛びます。
「かわいそうだね」というと、「かわいそうだね」って子猿達が答える。
「帰ったら僕達は家があるものね?」と確認を取るように兄猿。うん、あるよ。

その翌日、リベンジ!ということで今度はルーブル近辺のパリ・プラージュのエリアに行きました。この書き込みを観て、パリ・プラージュ行こうと思われる方、こちら、ルーブルのは子供向けのアクティビティーが少ないので、どうせ行くなら、頑張ってBassin de la Villetteまで行った良いでしょう。でもまぁ、お祭りみたいで楽しかったです。

天気?なんと、また雨に降られました!
それでも雷雨ではなかったので、「こんなの、なんでもないね」と猿達は帰りたがらず。
そんなこんなで本日はメチャクチャ疲れている母猿です。

2011年8月3日水曜日

日本の性意識

バカンス中に「ドラえもん」の作者撰集という分厚いのをもって行きました。子猿達の日本語・日本文化教育にばっちりなんですよね、ドラえもん。その昔帰国子女だった私、ドラえもんを読まずに育っているので、今、初めて読んでいるのですが、面白い!ミニ地球を作ったり、戦争の話が出てきたり、笑うわ、泣くわ、知恵がつくわ、藤子・不二雄さんすごい才能です。
ただ気になるのはしずかちゃんの入浴シーンなどをのび太が覗くところ、というのは、仲良しの友人が指摘していた点でもあります。覗きがバレ、しずかちゃんは嬉し恥ずかしでのび太君を怒る、というオチのあれです。罪のないいたずらと言えばそう。あれを見る限り、単純な男の子だったら、覗きしたって、大したことない、ほら、覗かれた方だって喜んでるじゃないか、って誤解するのでは。

そして、これって、痴漢に通じるものがあるのでは。こういう教育をされていると、「ちょっとくらい、おしり触ったって」「胸さわっちゃう」、そして「手鏡で覗き」という気味悪い犯罪が「悪」という認識ができなくなるのでは、と友人は言う。確かに、まだ日本語危うい6歳児に、この部分を説明できませんでした。覗きは面白がってするもの、って教えたくない。

フランスはこの辺り、どういう認識なのでしょう。TVもないし、憶測する限りですが、性に対する意識が違うような気がします。潔癖ということではなく、もっと両極化しているような。何しろDKS擁護論が強かったりもする国ですし。両極化というのは、曖昧なところなく、セクハラも「えへへ」というにへら笑いでごまかせるものではないの知ってやってる確信犯ではないのかしら。


ドラえもん、こんなところからも、日本の性は錯綜しているのかな、なんて大げさかもしれませんが、思ってしまいました。
(でもしずかちゃんの覗き部分以外は大好きです。減現代版として、覗き関連はカットするのはやりすぎですか?)